音楽村の水仙を見たあと、ふとかって訪れた 「鴻の巣」 の奇観を眺めたくなって寄ってみることにした。
その折のことは 第227回 「隠し砦の三悪人(2010年12月)」 で書いている。 それから10年余の時が流れたことになる。
山容の奇観はその当時と少しも変わってはいなかったが、周りの様相は、歳月のためか、それとも直近のコロナ禍のためか、佇む旅莊には人の気配がなく荒廃が進んでいるようであった。
昼下がりの陽に照らされた静寂な空間の中、小鳥のさえずりだけが途切れることなく聞こえてくる。 それを聴きながら崖の麓に立てられた
「鴻の巣の説明看板」 を読みこの地がたどったであろう 「悠久な歴史物語」 に思いを馳せた。
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