黄昏どきの広場で催された野外コンサートに集まる市民のことを取りあげたニュース映像を見て一度は訪ねたいと思っていた大町市立図書館界隈を訪れた。
そのわけとは、ニュース映像からは、ささやかではあっても、地方都市がもつ 「豊かな暮らしぶり」 がかいま見えたからに他ならない。
北アルプス後立山連峰を間近に仰ぎ見る大町市は、かってこの後立山連峰と立山連峰の間に横たわる黒部峡谷に架けられた黒部ダムの建設にあたって、未曾有の殷賑を極めた。
その間のくだりは映画 「黒部の太陽」 に詳しい。 ダム完成後も、繁栄はその観光地として引き継がれたが、時代の波はいつしか、この山麓から去っていってしまった。
行き交う人々であふれた駅前通りも、今ではシャッター街と化し、昔日の面影はどこにも見あたらない。 「時代の流れ」 といってしまえばそれまでであるが、その浮沈をまのあたりにした市民にとっては、悲嘆あたわざるものがあったのではなかろうか?
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