Linear 信州ベスト紀行セレクション
神社仏閣を巡る(4)
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栗尾山満願寺 / 長野県安曇野市
1200年以上の時を経て
 以前から名前は聞いていた満願寺(まんがんじ)を、晴れた日曜の午後、ふと思いたって訪ねることにした。 日の光をそうやすやすとは通しそうもない、うっそうとした急勾配の林間の参道を無言で登る。 参道には参拝者の姿はひとりとして見あたらず、不気味に静まりかえっている。 霊気というものか。 額に汗がながれる頃、ようよう明るい陽射しに照らされた、そう広くはない境内に着いた。 境内にも人影がなく、日盛りの中で本堂がしんとしており、真言宗の寺らしく、托鉢姿の弘法大師、空海の像が本堂脇に立っている。 信濃三十三観音霊場の第26番札所であるという。 四国讃岐の人、空海の教えは1200年以上の時を経てなお、ここ安曇野の奥深い山寺にも息づいている。
2008.07
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