明科あやめ祭りは、毎年6月中旬〜下旬に開催される。 何度か来ているのだが、年を経るごとに、咲くあやめの数が減っていくことは寂しいかぎりである。 日曜日、晴天に恵まれていても、各地から集まった 「祭り屋台」 の店主たちの表情は晴れず、手持ちぶさたの風情で、行き交う観客を眺めていた。 遠くから、少々時代遅れの歌謡曲が、高く低く、風に乗って聞こえてくる。 昼下がりの刻は、まどろんだように、ひねもす、ゆったりと、あやめ園の上を渡っていく。 畢竟如何、来年こそは盛大に、そして華やかに、と願うのみである。