峠を北に分岐して少し坂道を登ると諏訪湖を眼下に俯瞰する 「諏訪ゴルフ倶楽部」 や 「ホテル諏訪湖の森」
のある高台に至る。 せめてその高台からの諏訪湖を撮ろうと訪れたが驚いたことにそれらの施設は解体工事中であった。 十数年前、このホテルで催された華やかな結婚式に招待されたことがあった。
その時はホテルのラウンジからの諏訪湖の眺望に感嘆したことをおぼえている。 その荒廃を目のあたりにしているうち芭蕉の奥の細道ではないが
「夏草や兵どもが夢の跡」 の感懐が胸裏にわいてきた。 戦国の荒波が駆逐していった夢の跡も、経済の荒波が駆逐していく夢の跡も、また同様にして、両者の違いに大きな差異はない。
|