風車に見立てた白亜の時計台が印象的な鳩吹公園。 ツツジが見頃と訪れてみたものの全開とはいかなかった。
だが、5月のそよ風が吹きぬける公園はツツジを上回る鮮やかな新緑で迎えてくれた。 夭折の詩人、立原道造は病床を訪れた友だちからの
「何かほしいものはないか」 の問いに 「5月のそよ風をゼリーにして持つて来て下さい 非常に美しくておいしく 口の中に入れると
すつととけてしまふ青い星のやうなものも食べたいのです」 と答えたという。 その 「5月のそよ風」 とはきっとこのようなそよ風であったのではあるまいか?
ふとそんなことを思った。
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