北八ヶ岳に位置する白駒池は鬱蒼と苔むした原生林に囲まれた 「日本最高所」 にある神秘的な湖である。
かって、学生であった頃、友人と2人で北八ヶ岳をワンダーホーゲル(今で言えば、トレッキング)したことがある。 その時は、雨池、双子池と順調に走破したが、人影が途絶えた、道なき道を、行くうちに、ついには迷走状態に陥り、四苦八苦の末、やっと麓にたどり着くという経験をした。
それでも、未踏の原生林を映して静まりかえっていた 「神秘の湖」 の情景は今も鮮明に脳裏に浮かんでくる。 その折りに割愛したのが、この白駒池である。
晩秋の紅葉を映した水面には、それからの40年の歳月もまた同時に映っているようである。
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