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富士見高原をゆく(7)
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花の里 / 長野県諏訪郡富士見町
恋人にはぐれた彼のよう
 前回訪れたのは2015年8月のことであったが、まだ 「ゆりの花」 が主体で、その他の花が2割から3割といったところであった。 だが今回訪れてみると時期が遅かったせいもあろうが、ゆりの花は皆無の状態であった。 もともと生育が難しいゆりの花ではあるが、今年の異常気象が追い打ちをかけたのかもしれない。
 白樺林の中に咲く色彩豊かなゆりの花は風情があって見事であったが、今日見る白樺林はその可憐な姿も消え失せ、緑と白のコントラストだけが静寂の空間にたたずんでいるのみである。 人影途絶えた林間の小径をたどって帰路についたが、気分は 「恋人にはぐれた彼のよう」 であった。

2017.08

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