何事にも第一印象というものがある。 自然風物もまた同様である。 その印象がその後の関係にずっと影響を及ぼす。 2008年6月、この公園を最初に訪れたとき、その印象を私は以下のように書いている。

　その後、季節を変えて幾度か訪れているが、そのとき感じた静謐な情感がいつも心を満たしてくれる。 第1カットの白樺林の空間は、映画の冒頭で登場する亡くなった母（竹内結子）の墓前で、父（中村獅童）と子が手を合わせるシーンが撮影された空間である。 最初に訪れた頃は、撮影で使用された白いフラットな墓石がそのままにのこされていた。 その後しばらくして無くなってしまった今ではそこが 「その空間」 であることを知る人は希であろう。 この映画が縁で2人は結婚したが、やがて離婚、今ではともにキャラクターを変えて、たくましく活躍している。