第348回 「猛暑日」 (2012.7)
近くにいながら訪れることがなかった法船寺を日曜の午後に訪れた。紫陽花の見頃とあって、さぞや花見客でにぎわっていると思っていたが、気温が35度を越えた猛暑日のせいか、駐車場は閑散としていた。松本平の東山麓の高台にあり、駐車場からは眼下にその全貌が眺望された。だがあまりにきつい陽光はその眺めを霞んだものとし、振り向いた法船寺の背後に仰ぐ青空は強いコントラストで堂宇を圧するがごとく迫っていた。寺域は眠ったように静かである。山号を塩沢寺といい、もとは牛伏寺の末寺であるという。山門をくぐると30種1300株余りの紫陽花が見事に咲いて迎えてくれた。
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