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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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あがたの森公園 / 長野県松本市
静かな春
 春の息吹を感じようと訪れた「あがたの森公園」には「静かな春」が穏やかな陽光を浴びて佇んでいた。新型コロナウイルスの感染拡大で発令された緊急事態宣言下であってみればいたしかたない。
 こんな「静かな春」をかって体感したことがある。それは2011年3月に発生した東北大震災直後にであった春の静けさである。 あれから9年の歳月が経過したことになる。そして今、再び、なにげない日常の風景が色彩を失って静まりかえっているさまを眺めることになろうとは想像だにしないことであった。9年前の静寂は目に見えない「放射能汚染」で、この度の静寂は目に見えない「ウイルス感染」とは何と皮肉な符号であろうか。

2020.04


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