未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
三分一湧水公園 / 山梨県北杜市
忙中閑あり
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に揺れる世界の喧噪の最中。 閑寂の気を求めてこの地を訪れた。 片田舎のこの地であっても感染騒動の余波は免れず、外を出歩く人影はまばらであった。 以前この地を訪れたのは2009年11月のことでその時の風韻を以下のように綴っている。
三分一湧水公園は八ヶ岳南麓に位置する。 三分一湧水とは、かって3つの村がこの湧水をめぐって長年争いが続いたため、分水桝に三角の石柱を立てて3等分して流し、解決をしたものだという。 八ヶ岳の地下水脈から湧き出た8500T/Dayの清水が、3方に整然と流れゆくさまは、この地が背負った歴史の流れそのものを伝えているように感じられた。 人間の争いの事跡が、歳月の経過により公園となるなど当時の村人は考えもしなかったことであろう。 栄枯盛衰 「一刻もとどまらず」 とはこのことである。
風韻の様相は10年前の当時と寸部も変わらず刻は朽ちることなく今日も滔々と流れ、八ヶ岳からの寒風が心地よく林間を渡っている。 忙中閑あり。 静かな昼下がりであった。
2020.02
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