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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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棚畑遺跡 / 長野県茅野市米沢埴原田
縄文のビーナス
 縄文土偶として初めて国宝に指定された 「縄文のビーナス」 が出土した棚畑遺跡はいつか訪れようと考えていた。 ようよう意を決して訪れたのであるが 「あまりに粗略な扱い」 に意気は消沈してしまった。 日本国中の人々が羨望の眼差しを傾ける 「縄文のビーナス」 であっただけにその落胆の度はより大きかったのである。
 棚畑遺跡は米沢埴原田の工業団地造成に伴い昭和61年に発掘された茅野市内でも最大規模の遺跡である。 縄文のビーナス は縄文時代中期(約4000年〜5000年前)の土偶である。 縄文時代の集落は何軒かの家がお祭りなどに使う広場を中心にして環状に作られており、そのビーナス土偶は広場の中の土坑と呼ばれる小さな穴の中に横たわるように埋められていた。 全長 27 cm、重量 2.14 kg である。 大半の土偶が破壊されているのに対してビーナス土偶は完全な形で見つかった。 それがなぜなのかはいまだ不明である。 だがそのアバンギャルドな造形美は妖しくもまた魅惑的であって知らず引き込まれていってしまう。 縄文人とはいったい 「いかなる人々」 であったのか? 想像は時空を超えて広がっていくばかりである。

2018.08


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