諏訪湖から流れる天竜川の水がホタルやその食物のカワニナ等の水性生物を育て、その流域にある辰野町の
「松尾峡」 はホタルの発生に適した自然に満ちていました。 その松尾峡は大正14年に県の天然記念物の指定を受け昭和35年に再指定されました。
平成元年環境庁の 「ふるさといきものの里」 の指定も受けています。 しかし、昭和30年代から、工場廃水、家庭雑廃水、農薬等がふえるにしたがって、ホタルの数もしだいに少なくなってきました。
そこで町ではホタルを守るために、次のようなことを行ってきました。 水のよごれを防ぐため、沢のきれいな水を加える工事を行いました。
その結果、ホタルが少しずつ増えてきたので、休耕田にホタルのすめる小川をつくることにしました。 この小川から2年後に、たくさんのホタルがでました。
その経験をいかして、今の2つのホタルの水路を作りました。 更に、昔からの水路の改修にあたって、コンクリートのほか木くぎを使ったり、川幅を広くして、ホタルのすみやすいような工事をしました。
そうして、小川にホタルの幼虫や、カワニナを放しました。 小川のまわりの草をかったり、泥上げをしたり、いつもホタルやカワニナのすみやすいように、手入れを続けてきました。
そのかいがあって、今松尾峡では、昔のようにホタルが見られるようになりました。 6月中旬の最盛期には、町をあげて盛大な 「ほたる祭り」
が行われ、ホタルを楽しむ人々が、遠く県外からも来るようになりました。
|