未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
安曇野白鳥湖 / 長野県安曇野市
白鳥の背に乗って
以前ここを訪れたのは2009年2月のことであった。すでに9年の歳月が経過したことになる。その刻のことは「憩いの刻」と題して以下のように書いている。
厳冬期の安曇野に今日は穏やかな陽射しがふりそそいでいる。ここは犀川の流れに隣接した静かなたたずまいをみせる白鳥湖である。以前に来たときには湖はなく、犀川の流れそのものであったのであるが、台風によって流れが変わり、残された淀みが湖になったもののようである。激しい流れのなかで餌を捕らえるよりはこのほうが楽ではないか ・・ と思うのだが。仰ぎ見る北アルプス連山の冠雪が少なくなる頃に「北帰行」の旅路に着くことになるが、それまでしばしの「憩いの刻」である。
そして今日。 目にする景観は少しも変わってはいない。勿論、流水に漂う白鳥や鴨の姿たたずまいも昨日のように色あせていない。変わってしまったのは人の世の世相であって、心のうつろいは隔世の感がある。 人の心はいったいどこに漂っていこうとしているのか ・・ 願わくは北帰する白鳥の背に乗って空の彼方へ飛び去っていきたいものである。
2018.03
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