未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
御泉水自然園 / 長野県北佐久郡立科町芦田
雨霧に染まった湿原
御泉水自然園を訪れたのは昨年の9月のことであった。再び訪れようと想ってはいたが1年近くの時間を要してしまった。静かな散策を夢見ていたが豪雨のさなかの天候とあっては静かどころか閑寂を通り越して孤絶の様相を呈していた。入り口の改札所のお姉さんは私の足下を見ながらその靴では湿原の周回のみですよねと不安げな表情を浮かべた。さらに初めてではないですよねと念押しされた。確かにこのような日に湿原を散策しようとするようなものづきはそう多くいるとはおもえない。無理からぬことであった。
だが自然の態様は泰然としてそのようなことは一顧だにすることなく「完璧の美」を魅せてくれた。晴天の湿原もいいが雨霧に染まった湿原もまた潤って実にいい。
2017.07
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