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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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美山公園 / 新潟県糸魚川市
縁の連鎖
 糸魚川市街地から南に少し登った高台にこの公園はある。園内にはフォッサマグナミュージアム、長者ケ原考古館、長者ケ原遺跡公園、野球場、陸上競技場などがある。
 前回訪れた2016年5月にはヒスイ海岸からの帰路、フォッサマグナミュージアムを訪れ急ぎ足で館内を見学したが残されていた時間は少なくそこで終日となってしまった。
 今日はその先にある「長者ケ原遺跡」をめざした。フォッサマグナミュージアムの駐車場に車を置いてアップダウンのきつい林間の道を行く。連日の猛暑は林間といえども発汗いちじるしく風呂上がりのようなゆであがった相貌となってしまった。
 長者ケ原遺跡は東京ドーム約3個分の広さを有し、国史跡に指定されている。遺跡の中央に位置する縄文時代中期(5000〜3500年前)の大きな集落跡は石斧やヒスイの玉の生産、交易の拠点として知られている。これまでに発掘調査された面積は遺跡全体の約3%、集落跡の10%に過ぎない。遺跡公園には竪穴住居などの建物が復元され、様々な体験学習も行うことができる。また考古館では縄文土器や石器、ヒスイの玉などが展示されている。
 これらを俯瞰するとき、糸魚川市がユネスコから、2009年8月、日本で初めて「世界ジオパーク」の認定を受けたことは当然の成り行きであったことが理解される。姫川流域から産するヒスイの原石はおそらくはフォッサマグナの地殻変動に因をなす産物であろうし、縄文から弥生に至ってヒスイの流通は国内外に及んでこの地の名声を高め、ついには出雲の大国主尊をも引き寄せ、奴奈川姫との恋のロマンスを生むことに至る。 これらはすべてなるべくしてなった「縁の連鎖」であって、時空のめぐり逢い以外の何ものでもない。 それを心に刻み終えると海望公園〜奴奈川神社〜糸魚川市街〜美山公園と巡った今日の日に別れを告げた。

2017.07


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