未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
美ヶ原山頂 / 長野県上田市
山本小屋〜八ヶ岳を望む
美ヶ原高原美術館〜北アルプス〜浅間山を望む
風がぴゅーぴゅー吹いてらあ
扉峠からビーナスラインと呼ばれる高原道路に入り、一気に標高2000mの美ヶ原山頂まで駆け登る。途中撮影シーンに恵まれたが道路上では止まるわけにもいかず割愛を余儀なくされた。
頂上直下の山本小屋の駐車場に到着したのはちょうど正午であった。昼食をとろうと車から下りると予期しなかった寒風に襲われて思わず背をすくめた。 だがその視野を南に向けると遠く八ヶ岳〜南アルプスの連峰が霞のような雲海に浮かんでいる。 絶景である。
入った山本小屋の食堂からはその天空の絶景を惜しむことなく眺めることができた。 ピザを食べ、コーヒー飲みながらのひとときは極上の3星であった。
食後、小屋の付近を散策したあと山頂に向かう。 天候には恵まれなかったが強い寒風に吹きはらわれた風景は山頂ならではの景観を醸し出していた。 車を駐めた美ヶ原高原美術館の駐車場には寒さをおして革ジャンスーツで登ってきたライダー50%と、物珍しさに惹かれてやって来た観光客50%で、そこそこの賑わいをみせていた。
山頂を吹き抜ける寒風は顔をそむけるほどであったが、雲海に浮かぶ中部山岳の峰々を撮ろうと駐車場のへりをめざして歩いた。 戻ってきた男女のライダーペアがすれ違いざま「風がぴゅーぴゅー吹いてらあ」と呟いた。 都会育ちの若者にはこの寒さが背骨にこたえたようである。
2016.10
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