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未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事

信州つれづれ紀行 / 時空の旅
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御泉水自然園 / 長野県北佐久郡立科町芦田


湧水の小川


原生の森(1)


湧水の池


原生の森(2)
ささやかな住人
 蓼科山の山裾に横たわる女神湖には何度か来ているのだが、中腹に位置する「御泉水自然園」へは何とはなしに足が遠のいていた。 今回、思い定めて山麓を駆け上がった。 標高1830 mに広がる総面積169 haの広大な敷地には300種類余りの高山植物が自生、多くの野鳥が生息するという。
 訪れた日はあいにくの曇天で、今にも雨が落ちてくるような気配が漂っていた。 そのせいか人影は少なくあたりは深閑としている。 周遊する森林湿原には木道が整備されていて足下を気にすることなく原生の息吹に触れることができた。
 御泉水とは蓼科山の地下伏流水の湧水を指しているのであろうが、遠くから眺める優美な蓼科山からは想像もできないことである。 それはまた細部と全体で構成された自然のフラクタル構造(入れ子構造)をみるようである。 蓼科山山頂(2531 m)までは、しばらく登った七合目から2時間あまりで行き着くことができるという。
 御泉水を溜めたちいさな池に手をひたすと思いの他の冷たさであった。 水底に目を凝らすと1匹のイワナ(?)が動きを失ったかのように蹲っている。 ささやかな住人のささやかな日常である。
2016.09

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