未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
信州つれづれ紀行 / 時空の旅
高島城 / 長野県諏訪市高島
諏訪の浮城
築城当時の高島城は島状に諏訪湖畔に突き出ていたという。別名「諏訪の浮城」と呼ばれた所以である。湖畔が数百メートル程も後退してしまった今ではその面影を偲ぶよすがもない。諏訪湖に天守を映したその眺めはさぞや秀麗なものであったにちがいない。その姿はまた戦乱に翻弄された諏訪氏がたどった運命をも浮かべているかのようである。
本丸は三層三階の望楼型天守で、瓦葺きではなく柿葺き(こけらぶき)だったという。その理由は、湖畔の軟弱地盤で重い瓦が使えなかったから、あるいは寒冷地の諏訪では瓦は凍み割れてしまうから等々に言われているが、はっきりしたことはわかっていない。
2016.04
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