Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
時空の旅から
Turn

Backward 宇宙の物語 Forward
意識戦争
 人間が持ち得る意識に限界はあるのか? 限界に挑んだ哲学者、ニーチェは精神崩壊に至り、文学者、三島由紀夫は割腹自殺を遂げた。 意識世界も物質世界と同様にさまざまな 「個別意識の集合」 によって構成されていることは異論なきところであろう。 したがって、あるひとつの個別意識が拡大膨張すれば他の個別意識を圧迫するのは必然である。 かくして意識世界の領域闘争である 「意識戦争」 が始まる。 意識世界が形無き世界であるから領域限界が無いとするのは誤りである。 ある個別意識が他の個別意識の意識領域を侵害すれば他の個別意識はその侵害意識を駆逐するために猛然とその侵害意識に襲いかかるであろう。 物質世界における領域闘争である 「物質戦争」 は物質文明発展による物質的飽和によってしだいに終焉にむかい、今後は意識世界における領域闘争である 「意識戦争」 が主流となっていくであろう。 物質戦争も悲惨であったが意識戦争もまた応分に悲惨であろう。
 しかして意識戦争の武器は言葉である。 互いの意識領域の国境線上で繰り広げられる迫撃戦の様相は物質戦争と何ら変わりない。 違いは、弾丸や砲弾が飛び交う代わりに、あらゆる罵詈雑言が飛び交うことだけである。 重要なのは相手の意識中枢部に打撃を加え戦闘不能に陥らせることである。 物質戦争で例えれば、全戦闘の指揮を掌握している大本営にミサイルを撃ち込むような具合である。 先頃のイラク戦争で使用された放射能で汚染された 「汚い爆弾」 に匹敵するような 「汚い爆言」 も使用されることであろう。 まったくもっていやはやである。

copyright © Squarenet