現代はあれこれ知ることより、あれこれ考えることが必要である。それは考えることで未来が生まれるからであり、しかして現代は未来が最も不足している時代だからである。だが考えることは知ること以上に難しい。なぜなら、知ることは頭を働かせなくともできるが、考えることは頭を働かせなくてはできないからである。だが難しいからと頭を働かさないで放っておいては、未来が生まれないばかりか、ますます考えることが困難となり、ついには何も考えられなくなってしまう。それは体の動きと同じで、苦痛がともなうからと運動をしないまま放っておいては、ついには一歩も動けなくなってしまうのと同じである。
ちなみに、アイデアは宇宙の彼方からもたらされるものだが、そのためには課題を日々考えつづけなければならない。不可能な壁は破れるまでは不可能に見えるが、いかなる壁も降ってわいたアイデアによって、たわいもなく突破されるのである。
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