レイモンド・チャンドラーの代表作「長いお別れ」を「ロング・グットバイ」の題名でNHKがテレビドラマ化、今日からオンエアするという。物語の私立探偵、フィリップ・マーロウは、時代の流れに逆らい、ロサンゼルスの片隅で、孤絶したように生きている。時代が変質していってしまっても、ひとり信じた道を頑なに貫いて生きているのである。だが、そのことによって時代を越えて永遠のものとなった。60年以上たった今もなお、それは色あせることなく生き続けている。
他方、時代の変質におもねったものは、時空の彼方に消え去ってしまい、今は何ひとつ残っていない。つまり、時代を越えて生きるものとは、時代に「おもねり迎合したもの」ではなく、時代に「逆らい抵抗したもの」なのである。
If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be
gentle, I wouldn’t deserve to be alive.
“ タフじゃなくては生きていけないが、やさしくなくては生きている資格がない ”
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