西欧の歴史建築は荘厳で威厳が漂う。
聞くと、その教会の聖堂の建築には400年あまりを費やすという。 日本で考えれば戦国時代(1600年)に着工した建物がようよう現代(2000年)において完成するようなものである。
日本にはそのような悠長な事業は存在しない。 建物の設計者はだいたいにおいて生きてる間に完成を見ることができる。 しかし西欧の400年をかける聖堂の建築においては設計者どころか、基礎工事に関わった人も柱組に参加した人もともに聖堂の完成を目にすることができない。
付近の人々はオギャーと生まれてから死ぬまでに見たものは基礎工事だけである。 このようにして完成した聖堂に威厳や荘厳さが漂うのは当然であろう。
それは人類の意志に対する畏敬の念である。
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