ふたつのパズル絵(だまし絵)がこの実験のために特別に描かれた。 ひとつは帽子をかぶった婦人の顔であり、もうひとつはヒゲを生やした男の顔であった。
まずこのパズル絵をブラウン管に映し出す。 しばらくして解答図を映す。 そしてそれが初めのパズル絵としだいに重なるように映しだし、誰もがパズル絵に隠された絵を認識できるようにする。
この番組を約200万人の視聴者が見た。 ところが、このテレビ放映の約1ヶ月前、このふたつのパズル絵は、このテレビ番組が放映されないアイルランド、ヨーロッパ、アフリカ、そしてアメリカの実験協力者に送られており、テレビ放映の2〜3日前と2〜3日後にパズル絵の認識実験が行われた。
テストを受ける人たちは同じようなグループが対象とされ、また実験協力者はみな、前述のテレビ放映を見ないことにした。 実際にテレビ番組で使用された絵はヒゲの男の顔のほうであったが、イギリスにいるシェルドレイクはもちろん、他国にいる実験協力者も知らない。
結果はきわめて明確に出た。 放映されなかった帽子の婦人の顔の方はテレビ放映の前後で、その中に隠された絵を認識した人の数に大きな差は出なかったが、放映されたヒゲの男の顔の方はテレビ放映の前後で隠された絵を認識した人の数が2倍にもなったのである。
このテレビ公開実験の結果が何を物語っているのかは明白である。 ひとたび多くの人々によって認識されたパズル絵の中の絵柄は「シェルドレイク仮説」の予想通り、他の人々にも認識されやすくなったということである。
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