| 「球形の荒野」 とは松本清張の長編推理小説(1962年刊行)の題名で映画化もされている。
それから数えれば60年余りの年月が経過した。 地球を球形の荒野に見立てた松本清張の鋭敏な直観は今にして現実のものになろうとしている。
それは近代科学文明がもたらした自然環境破壊の現状であり、加速する経済のグローバル化がもたらした格差社会による精神の荒廃と対立の様相である。
我々は球形の荒野の片隅に生きるしかすべはないのか? はたして現代社会は天国なのか? それとも地獄なのか? 現代社会が物質的豊饒に満たされていることからすれば天国のようにみえるが、その生活が精神的飢餓に苛まれていることからすれば地獄のようにもみえる。
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