Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

非局所的宇宙の相貌〜局所情報は未知か既知か
 量子もつれにおける 「局所の情報」 が宇宙全域に瞬時に伝達されるとする 「瞬時」 が時間経過がわずかでもある瞬時なのか、それとも時間経過がまったくない瞬時なのかによって、その後の事情は大きくかわってくる。 時間経過がわずかでもある瞬時であれば、伝達される情報は宇宙全体にとってはいまだ知られていない 「未知なる情報」 となるし、時間経過がまったくない瞬時であれば、伝達される情報は宇宙全体にとっては宇宙全体にとってすでに知られている 「既知なる情報」 ということになる。
 量子もつれの情報が光よりも速く伝わる物理的効果によって連絡しあっているとする非局所性の帰結を相対性理論に適用すれば、その瞬時とは時間経過をともなわない 「既知なる情報」 ということになる。 そうであれば、その情報は 「宇宙で起きる出来事のあらゆる可能性」 のことであって、その可能性は 「すでにして試し終わっている」 ものである。 しかしてそれは、すでにして宇宙に組み込まれている(インストールされている) 「宇宙の内蔵秩序」 のことに他ならない。
 そうであれば、我々の人生とは、その試し終わっている 「既知なる可能性」 を追認する(トレースする)に過ぎないという 「運命論」 に近づいていく。 であればいくらあがいてみても結果は同じということになってしまう。 それは哲学者ニーチェが思考した 「永遠回帰説」 が述べる 「円環を為す人生」 と等価的に一致する。
 ニーチェの永遠回帰説は、量子もつれが実証した非局所的宇宙の 「ひとつの断面」 を語っていると考えてしかるべきである。

2026.03.09


copyright © Squarenet