| 二重スリット実験は量子が 「波動性」 と 「粒子性」
という 「2つの性質」 を持っていることを明らかにした。 2つの性質は同時には観測されず、波動性が観測されれば粒子性は消え、粒子性が観測されれば波動性は消えてしまう。
ある量子がどこかで観測されるまでは、その量子は波動性を帯びて宇宙全域に波のように広がっている。 この状態を量子論では 「どこにもいてどこにもいない」
と表現する。 しかしひとたび宇宙の局所でその量子が観測されるやいなや波動性は消え、かわって粒子性が現れ、宇宙はその局所に収縮する。
もはやその量子はその局所宇宙にしか存在することができない。
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| エルヴィン・シュレジンガー(オーストリア、1887〜1961年)が構築した波動理論における
「波動方程式」 はその後の物理学において最も基本的な方程式と言われている。 物質としての量子がもつ波動性と粒子性の二重性はかくなる方程式によって初めて
「数式化」 されたのである。 方程式には 「波動関数」 と呼ばれるまったく新しい量が登場する。 波動関数は物質の粒子性と波動性の両面の性質を考慮して、ふるまいのすべてが詳細に説明されている。
さらにボールのような巨視的物体の場合は、ニュートン力学の各方程式へと書き直されるように組み立てられ日常世界でも使えるようにした。
その後、マックス・ボルンによって波動関数の2乗がある瞬間にある場所でその量子を見つける確率を示していることがわかった。 すべての系は波動関数により説明され、「ある瞬間、ある位置で(ある時空間で)、あるもの」
が見つかったとたんに、すべての可能性を示していた波動関数は収縮し、その時空間は 「あるひとつのもの」 に現実化する。 この収縮は観測や測定という行為によってなされる。
この状況を換言すれば、観測されるまで量子は波動性をおびて 「どこにもいてどこにもいない」 状態であるが 「ある瞬間、ある位置」
で観測されるや、すべての可能性は消滅し、ある 「ひとつの時空間」 に現実化する。 波動性を失った量子は 「粒子性に転化」 し、もはや
「そこにしか」 存在することができない。
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| シュレジンガーの波動理論の帰結は、量子もつれが実証した非局所的宇宙の
「ひとつの断面」 を語っていると考えてしかるべきである。
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