| 形態共鳴仮説の重要性は、非決定的な部分をもつ個体の発生現象がいつも必然的、決定的となるのはなぜかを説明した点にある。
それは 「形の場」 がけっして受動的なものではなく、積極的に他へ働きかける 「形の共鳴」 という性質をもっていることである。 例えば、雪山の斜面を滑り降りるスキーヤーは、その前に滑り降りたスキーヤーが描いたシュプールによる
「形の場」 によって、そのシュプールをなぞるように強制(形の共鳴)される。 またダイナマイトの原料であるグリセリンは、結晶化がなされないとされていたが、ある日、ひとつの樽の中で結晶化(形の共鳴)がなされるや世界中のグリセリンがこの日を境に結晶化し始める。
時空間を越えて他の系に影響を及ぼすこれらの作用は 「形態形成場」 と呼ばれ、その影響は 「形態共鳴(形の共鳴)」 と呼ばれる。
|