Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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ひとことで語る真理とは
 知的冒険エッセイは 「宇宙の真理」 を探し求めてきた思考軌跡を記録したものである。 だが 2000回 を突破した現在に至るも、いまだその真理を 「かくある」 と 「ひとことで語る」 ことができていない。 以下の記載は 「真理のかたち」 の末尾からの抜粋である。
 「群盲象を撫でる」 ということわざがある。 盲人の集団が象に触って 「象とは何か」 を知ろうとしている様を描写したものである。 その中で鼻に触っている者は 「象とは蛇だ」 と言い、足に触っている者は 「象とは丸太だ」 と言い、腹に触っている者は 「象とは岩だ」 と言う、耳に触っている者は 「象とはヒラメだ」 と言う。 彼らの話を総合すると 「象とは蛇で、丸太で、岩で、ヒラメだ」 というわけである。
 「真理のかたち」 とは、およそこのようなものなのであろう。 どれもが真理の部分であって全体ではない。 真理に到達しようとすれば部分を統合しなければならない。 つまり、ディラックの予見、マヨラナの予見 ・・ 等々が統合されたとき、真理の女神は一瞬間こちらを振り向いて素顔でにっこりと微笑んでくれるのである。 それがいつになるのかは背を向けている女神本人に聞いてみなければわからないが、彼女の気分しだいというところが妥当な予測ではなかろうか ・・・。 (2013.11.27)
 探し求めてきた 「宇宙の真理」 はどれも真理の部分であって真理の全体、言うなれば 「真理そのもの」 ではない。 部分を寄せ集めればいつかは全体に行き着くことは紛れもない事実ではあろうが、粉々に砕け散った真理の部分を統合して砕ける前の真理の全体に到達することは、気が遠くなるような道程である。 それがいつのことになるのかは、背を向けている気まぐれな女神本人に聞いてみなければわからないとし、それは彼女の気分しだいというところが妥当な予測であろうとした真意は、そこにある。 急いではならない。 「待てば海路の日和あり」 ということもある。

2025.06.11


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