Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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考えることは考えないこと
 自らが他者から評価されたとて、生きる意味にいかほどの違いがあろうか?
 生きるとは 「自らを創る」 ことであって、他者を創ることではない。 生きるにおいて、今日、何かひとつでも創ることができたなら、それで充分である。 自らを創るためには、新たな何かを着想しなければならないが、その着想は自らの想いから生まれたものでなければならない。 「我思うゆえに我あり」 とは、自らの想いが自らの 「存在の原点」 であることを述べている。 だが、我思っても何も浮かばないようであれば、無理に考えなくともよい。 「下手の考え休むに似たり」 は真実である。 大切なことは、「待ち続ける」 ことである。 さすればやがて 「新たな着想」 はやって来る。
 しかしながら、考えを考えで弄ぶことは自己矛盾であって、やめたほうがいい。 迷路に陥ってしまうが落ちである。 現代人の 「妄念の大半」 はそこに起因する。 かくなる妄念が満ちあふれたものが現代社会の実相であるならば、かくなる妄念によって、世界は崩壊してしまうかもしれない。 回避するには 「原点に回帰」 するより他に道はない。 すべてを 「天のこころ(宇宙のこころ)」 に任すことである。 「止観」 とは、そういうことである。

2025.04.26


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