断じて行えば鬼神もこれを避く。 迷うことなく断固として行えば鬼神でさえその勢いにおされて避けていく。
(史記、李斯伝に由来する言説)
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迷わないことは力である。 「武士道とは死ぬことと見つけたり」
は 「葉隠」 の中で語られる有名な一節である。 覚悟を決めて迷わなければ 「不死の力」 を得ることを教えている。
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また天台宗の中心的な修法である 「止観」 とは、一切の妄念を止め、正しい知恵をもって対象を観察することで、悟りに入ることを説く。
これも迷わないことは力であることを教えている。
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その逆に、疑心は暗鬼を呼び込み、力を失わせて事態を暗転させてしまう。
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省みれば現代社会は上から下まで 「迷い人」 だらけであって、右に左に迷わない日はないぐらいである。
さまざまな情報が流布される情報化社会であってみれば、それは当然の成り行きであろう。 判断材料が増えれば増えるほどに決断に迷いが生ずることは
「必定の理」 である。 この状況下で、あくまでも熟慮をもって明解を導きだそうとしたら、そのうち精神衰弱に陥ることは疑いない。 依って、現代人に求められる喫緊の課題は
「迷いからの脱却」 に帰着する。
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こうして考えてみると近年注目されつつある 「人工知能(AI)」
の登場などは、あるいはそこに理由があるのかもしれない。 しかしながら、迷いの払拭のすべてを人工知能まかせにしてしまうのもどうであろうか?
かえって事態を悪化させ、混迷を拡大させてしまわないか? 迷いは尽きることがない。
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