Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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もう人間はだめかもしれない
 だいぶ前になるが、武田鉄矢が主演した刑事ドラマで 「もう人間はだめかもしれないな」 と嘆息する場面に 「ひどく感じいった」 ことを覚えている。 そして現在。 目前にする現代社会で繰りひろげられる人間像は 「もう人間はだめかもしれないな」 と考えざるをえないような場面だらけである。 おれおれ詐欺、ブラックバイト強盗、フェイク選挙、パワハラ、モラハラ、あげくの果ては、政治家、司法官、教育者、警察官等々に渡る不祥事の数々。 信義はゆらぎ、倫理観は地に落ち、正義のかけらさえ見つからない。 これだけ人間不信をみせつけられたら、子供でさえ 「もう人間はだめかもしれないな」 と考えても何ら不思議ではない。
 自転車で追いかけた2人の中学生が捕まえた 「ひったくり犯が警察官であった」 ことについて、どう思うかと記者から問われた2人が 「世も末だとおもいます」 と答えていたのはいつのことであったであろうか。 その頃はまだまだ 「健全であった」 と今にして思いだされる。

2024.12.12


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