Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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人工知能と科学的合理主義
 科学的合理主義全盛の時代は 「有から有を生む時代」 であって、その様相は、第619 「科学的合理主義の終着点」 で描いた。 そんな時代での人間像を、ドイツの文豪、ゲーテ(1749〜1832年)は、以下のように描写した。
 そもそも現在(科学的合理主義が全盛の時代)は、すぐれた頭脳、理解の早い実用的な人間のための世紀であり、彼らは、たとえみずからは最高度の天分を有さずとも、ある程度の器用さを身につけているだけで、衆に抜きんでるものと思っているのです ・・。
 しかり、それは、今、眼前にする津々浦々の人々の風景である。 ゲーテが望んだのは 「無から有を生む時代」 であって、人工知能を巧みに操るような人々の時代ではありえない。 勿論、ゲーテが現代にあって、「人工知能の未来は」 と問われたとしても、即座に 「否」 と首を横に振るに違いない。 なぜなら、人工知能そのものが 「科学的合理主義」 そのものであるからに他ならない。

2024.10.16


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