お金を稼ぐ人とお金を使う人は同じではない。 往々にして、お金を稼ぐ人は使うことができず、お金を使う人は稼ぐことができない。
なぜなら、お金を稼ぐ人は稼ぐ苦労を知っているがゆえに使うことができず、お金を使う人は稼ぐ苦労を知らないがゆえに使うことができるからに他ならない。
状況を家庭に例をとって述べれば、夫が節約志向であれば、その妻は応分に浪費志向となり、妻が節約志向であれば、その夫は応分に浪費志向となる。
これは絶妙なバランスで、そもそも両者ともに節約志向であったり、浪費志向であったりしたら家計はもたない。 したがって、お金を稼ぐ人は生涯に渡って稼ぎ続け、お金を使う人は生涯に渡って使い続けることになる。
まして国の経世済民をと言うのであれば、このことを充分に理解したうえで策を施行しなければ実効性は期待できない。
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経済は賃金を上げさえすれば、好転するほどに単純なものでもなく、出生率は子供手当を厚くすれば、向上するほどに単純なものでもない。
ここは深謀遠慮のしどころである。
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