ベストエッセイセレクション 「空海の風景」
では空海が目指した 「どこにもいてどこにもいない」 という生き方について論考した。
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高野山に入定(入滅)してから現在まで 1200年
に渡って、空海は 「どこにもいてどこにもいない存在」 として、生き続けてきたのである。 さらに、入定に先だって弟子たちに 56億7000万年後
に、必ずや弥勒菩薩とともに 「この世に下生する」 と遺告した空海であってみれば、これからも 「どこにもいてどこにもいない存在」
として、生き続けることであろう。 すべては彼が画した 「即身成仏」 のなせる業であるのだが、ここまでくると 「永遠の生命かくあるか」
と称賛するしか他に言葉がない。
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