Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

いつか神風が吹く〜伝家の宝刀の効力とは
 世界はコントロールが失われた世界に向かいつつある。 直截に言えば、「無法地帯」 になりつつある。 何が起きるのか 「予測不能」 であり、何が起きても 「不思議」 ではない。 どう対処したらよいのであろう。
 またぞろ 「赤信号みんなで渡れば怖くない」 とする日本特有の 「集団的無責任体制」 に頼るのか? それとも、こうなったからには 「しょうがない」 とする日本特有の諦観を習わしとする 「事態収拾手法」 に頼るのか?
 昔日のことであるが、技術研修のために日本にやって来たアメリカ人技術者が、日本には驚くべき 「ハイテク技術」 があって、それは 「トッカンコウジ(突貫工事)」 と呼ばれ、通常であれば 3ヶ月 は必要とされる工期が、この技術を使えば 1ヶ月 に短縮されると本国に報告したという逸話を聞いたことがある。 あるいは、上記した日本特有の体制や手法もまた、同様の 「ハイテク技術」 に類するものなのかもしれない。
 これらの体制や手法は緻密で繊細な 「日本的知性」 から導き出されたものなのか、それとも、日本人が常用する 「無作為の作為」 から導き出されたものなのかはいまだ定かではない。
 思い起こせば、「いつか神風が吹く」 という伝家の宝刀に頼ってひどい目にあったのは 「いつのこと」 であったであろう。
 
(※)集団的無責任体制 : 第907回 「全員参加型無責任時代」 を参照。

2024.05.24


copyright © Squarenet