Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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犠牲のない解決法
 本エッセイの表題は 「知的冒険」 であり、副題は 「時空の旅」 であり、「知のワンダーランドをゆく」 である。 大上段に構えたテーマを掲げて20数年以上に渡って私はその旅を続けてきたことになる。 それは身の周りの生活空間に潜在する未知なる宇宙を訪ねる時空の旅の途中で出逢ったさまざまな出来事を科学・哲学・芸術・文学等々の学際をクロスオーバーして探求した 「知のワンダーランド」 の物語である。
 宇宙に果てがないようにその旅は行けども行けども尽きることがない。 「生れ出づる悩み」 のごとく、「生れ出づる問い」 もまた尽きることがない。 だが最近は無駄な 「煩悶」 はしなくなった。 巷間、問題の解決には 「犠牲」 は付きものだと言われ容認されてきたが、最近は犠牲のない問題の解決法を考えるようになった。 そんな 「うまい話」 があるものかとも思うが、そうでなければ身がもたない。
 問題の解決には 「犠牲」 が付きものだと言ったが、鑑みると多くの現代人はさまざまな犠牲の上に人生を築いている。 遊びを犠牲にしての受験勉強、家族を犠牲にしての出世競争、睡眠を犠牲にしての職務遂行、誇りを犠牲にしての忖度行動 ・・ 等々。 数えあげたらきりがない。 現代人の闇は、それらの犠牲は不可避であって、なにより容認されていると考えるところに横たわっている。 容認するという以上に 「推奨する」 とまで考えている。 これでは 「瞬間にある永遠とは何か?」 など問うべきもない。 少なくとも目指す 「知のワンダーランド」 ではこのような犠牲とは無縁でありたいのだ。

2024.03.12


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