Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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いつ死んでもいい生き方
 個性派俳優、生瀬勝久(63)兵庫県生まれ。 同志社大学在学中に交通事故で1カ月入院する重傷を負ってからは、いつ死んでもいいように、後悔しないように生きるんだと心に決め、親に反対されても役者の道に入ることにしたという。
 生瀬はインタビューに答えて自らのポリシーを以下のように語っている。
 僕、予定を立てない、理想を持たない、野望を持たない、流れるというのがモットーなんです。 僕、好き嫌いが激しいんで、気に入らない人はいっぱいいるんです。 だけど、気に入らない人とは仕事しなきゃいい。 しゃべらなきゃいい。 何カ月かしたらお別れするんだから。
 また別のところでは 「冠婚葬祭には出ない!」 と断言したという。 その理由は 「結婚式行っても別れるし、お葬式行っても本人がいないからだ」 という。
 「いつ死んでもいい生き方」 としては、誠にもって理も整然と筋が通って非の打ち所もない。 これであれば確かに後悔はしないであろう。 だがどこかに釈然としない 「何か」 がのこってしまう気がするのは 「私の錯覚」 であろうか? 畢竟如何。

2024.02.21


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