ボーアが提唱した確率論的物理学としての量子論をどうしても認めることができなかったアインシュタインは、夜空にかかる月は見上げているときには存在するが、見上げていないときには存在するかどうかはわからないなどという考えは馬鹿げている。
「神はサイコロをふらない」 とボーアを辛辣に批判した。 それに対するボーアの返答は 「神にむかってあれこれ指示することはやめなさい」
というものであった。 そこには 「こうである宇宙」 と 「そうでないかもしれない宇宙」 を信じた両者の価値観の違いが明瞭にあらわれている。
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