Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
Turn

生活環境から自然環境への回帰
 有史以来、人類は自らの生活環境の改善に合わせるようにとりまく自然環境を変えてきた。 その結果、生活環境は驚異的に改善されたものの自然環境は驚異的に劣化してしまった。 いまや人類をとりまく自然環境は青息吐息である。 この対応を今後も続けていくのか? 今その分岐点にある。
 かっての縄文人の生活環境は、驚異的に改善された現代人のそれにはるかに及ばないが、現代人をとりまく自然環境は、驚異的に保全されていた縄文人のそれにはるかに及ばない。 喩えて言えば、縄文人の竪穴式住居における生活環境は、現代人の高層マンションのそれにははるかに及ばないが、自然災害における生活環境においては、現代人の高層マンションは、縄文人の竪穴式住居のそれにはるかに及ばない。 震度 7 の首都直下型地震が発生したときの惨禍は、驚いて逃げ出した縄文人がころんで足を痛めた被害と比較すれば論ずるまでもないことである。 そろそろ人類の生活環境をとりまく自然環境に合わせるべきであろう。 でなければ地球がもたない。 しかして人類もまたもたない。

2024.01.24


copyright © Squarenet