喫茶店 「森の時計」 には、「森の時計はゆっくり時を刻む」
という壁掛けが架かっていますが、実はその後 「だけど、人間の時間はどんどん速くなる」 と続くんです。 以前、時計メーカーの方に
「10年で1回りする時計を作ってほしい」 とお願いしたとき、最初は受けて頂いたんですが、結局断られてしまいました。 担当者いわく、今の技術は
「速く」 することや 「正確」 にすることには対応できるけど、時計を 「遅く」 することはできないと言うんですよね ・・・
中略 ・・・ 僕は 「時計」 と 「時間」 はまったく違うものだと実感したんです。 「時計」 は単に約束ごとのために存在するもので、「時間」
そのものではないと。 昔の人の生活は自然の時間に合わせたものだったけど、いつの間にかそういう生活が失われてしまったんでしょうね。
そんな思いをこの言葉に込めたんです。
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