インターネット社会では、さまざまな情報が地球上を所狭しと猛烈な速度で駆け回る。
物理的な世界と異なって情報世界は距離の制約がないだけにその速度は 「無限大」 に近づいていく。 かって高度経済成長下での東京は
「眠らない街」 と呼ばれたが、今や地球そのものが 「眠らない惑星」 になってしまったようである。 よもや達成されることはないと思っていた
「世界はひとつ」 という標語は、今まさに現実になろうとしている。 それは人類がもった歴史の中では空前にして未曾有の出来事である。
かくなる達成が 「何を意味するのか」 を考えなければならないのであるが、達成を成し遂げた当の人類そのものが事の次第を量りかねている。達成された世界は
「豊饒の大地」 なのか? それとも 「球形の荒野」 なのか? 問えども眼前に広がる空漠の大地は何もこたえてはくれない。
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