ゲーテ思想を研究した1911年、オーストリア生まれの文芸評論家、エーリヒ・ヘラーは、科学的合理主義の行き着く先を 「技術的進歩とは、地獄をもっと快適な居住空間にしようとする絶望的な試み以外のほとんど何物でもありません」 と簡潔、かつ直裁に表現した。

　それから100年余を経た現代社会は、もはや天国とはほど遠い地獄のような世界になってしまった。 差し詰め、人工知能を使った 「チャットGPT」 などは、ヘラーが言ったごとく 「地獄をもっと快適な居住空間にしようとする絶望的な試み以外の何物でもない」 技術的進歩そのものなのかもしれない。