昨今の日本は 「空回り」 しているように見えてしかたがない。 デジタル技術で遅れをとってしまったとして、政府、民間一丸となって 「DX（デジタルトランスフォーメーション）」 の普及推進にあわてふためいている。 ちなみに日本のデジタル競争力の総合順位は 28位 となっている（64カ国・地域）。 世界と比べて日本のデジタル競争力が低下してしまった原因は、人材面での競争力の低さであって（人材領域で 47位、技術スキル領域で 62位）、総合順位の引き下げ要因となっている。

　そのような状況下で、矢継ぎ早に政策を打ち出してみても、マイナンバーカードの不手際や防衛省の最高機密情報に関する中国からのハッキング漏洩 ・・ 等々。 その惨状は目を覆うばかりである。 かって 「突貫工事」 は日本のお家芸であった。 だがそれも、裏打ちする人材や技術力があってのことで、実情が 「張り子の虎」 であっては、勇ましい 「かけ声」 をかけてみたところで、結果はおして知るべしである。

　ここは現実を受け入れ、落ち着いて原点に帰って、静かに深く 「考え直す」 以外、他に道はない。 あわてて目先の体裁ばかりの政策に終始していては、問題は解決するどころか大きくなるばかりである。 それどころか下手をすると日本は沈没しかねない。