Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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考えるな、感じろ
 再び、ブルース・リーの名言についてである。
「何かについて考えすぎると、それを成し遂げることは到底不可能である」
 現代社会を牽引しようとする 「エリート」 達にとっては頭の痛い 「警句」 である。 とかく彼らは、その身に蓄積した知識で創作した思考をもって 「未来を企画」 し、日夜に渡ってその実現に向けて馬車馬のごとく奔走する。 だが、混乱は増すばかりで、成果は、はかばかしくない。 高性能コンピュータをもってしても 「分からない未来」 をささやかな知識をもって、見抜けると思うのはいささか傲慢であろう。
 もし 「マジ」 で可能と思ってやっているとすれば、やがてそのギャップで、ノイローゼに陥ってしまうは必定である。 結局。 未来は誰にも分からないのである。
 そんなものに精力を集中させることは大いなる徒労に逸する。 それよりは現実として 「起きた未来」 にいかに対応するのかが、肝心要の不可欠な施策なのである。 現代社会に必要な人材とは、その 「対応能力」 に優れた者なのである。
 もはや未来の株価の 「予想屋さん」 はいらないのであって、起きた未来で臨機応変の対応力をもって事にあたれる 「行動屋さん」 こそが求められるのである。 首記のブルース・リーの名言はそのことを暗示しているのである。

2023.06.23


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