確信の終焉は価値観の多様化をもたらし 「新たな価値観の創造」 を促す。 だが、それらの価値観も幸福観に裏打ちされなければ虚無感に陥ってしまった人を救うことはできない。 幸福観なき価値観など 「絵に描いた餅」 のごとくであって、人生における有意性は何も生まれない。 優先すべきは 「新たな幸福観の創造」 である。

　かくなる創造においては留意すべきことがある。 それは、新たな価値観の創造が左脳的な 「理」 を主体とするのに対し、新たな幸福観の創造は右脳的な 「情」 を主体とすることである。 従って、幸福観の創造に 「合理性」 を求めてはならない。 求めるものは 「おもしろさ」 であり、「たのしさ」 であり、「よろこび」 であり、「かんどう」 であり ・・ 等々の 「情緒性」 である。 まったくもって不合理な幸福観であっても、そこにこのうえない面白さがあるとすれば、それは 「最高の幸福観」 なのである。