Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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刹那と連続〜永遠の生命
 刹那宇宙を喩えて言えば 「1枚の写真の世界」 である。 だがこの1枚の写真の中にはあらゆる世界が含まれている。 以下の記載は 「ベストエッセイセレクション〜時代の風景」 を編集するにあたって寄稿した 「刹那と連続」 からの抜粋である。
刹那と連続
 第 3 集 の表題を 「時代の風景」 としたのは 「それぞれの時代」 が絵画のように切り取られた 「風景」、言うなれば 「場面」 であったからである。 時空は時間軸に平行な時間が継続する 「連続の世界」 と、時間軸に垂直な時間が断裂(時間 0 の)した 「刹那の世界」 で構成されている。 とかく我々は時間が継続する 「連続世界」 を上位に置きたがるが、「記憶にのこる世界」 とは意外にも時間が断裂した 「刹那世界」 なのである。 「時代」 とは時間が継続する連続世界であり、「場面」 とは時間が断裂した刹那世界である。 つまり、「記憶にのこる永遠性」 とは、時間が断裂した刹那のワンカットである 「場面」 の中に象出しているのである。 「○○の風景」 と題した所以は、実にここにある。 かかる風景の中でこそ、人は永遠の生命に昇華し、生き続け、語り継がれていくのである。 また時間が継続する 「連続世界」 が水平的に連なった、言うなれば 「広さ」 の世界であるのに対し、時間が断裂した 「刹那世界」 は世界が垂直的に重なった、言うなれば「深さ」の世界である。 連続世界である時代から切り取られた刹那世界のワンカットである場面(風景)には、さまざまなものが重層して秘められているのである。 であればその 「珠玉のワンカット」 を時代から抽出することは困難を極めるのではないかということになるが、そんなことはない。 いかなるワンカットを抽出しようが、その場面(風景)の中には、その人の 「すべて」 が含まれているのであって、宇宙の真理のごとき 「素顔」 がそこに象出しているのである。 だがその象出した素顔をいかに 「描写」 するかには多大な困難がともなうのだが ・・。 (2015.10.21)
 「永遠は瞬間にあり」 とは 「1枚の写真の中に永遠が秘められている」 ということである。 かくして、人はめぐり逢う刹那のワンカットの中で 「永遠の生命」 に昇華し生き続けていくのである。

2023.05.09


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