未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
内なる世界と外なる世界の乖離
即身とは、自らの内にある意識世界(バーチャルとしての想像の世界)と自らの外にある物質世界(リアルとしての現実世界)を一致させることである。 一致させなければ、どちらかの世界に支障が発生し、事と次第によっては、自らが崩壊してしまう。
だがこの世に生きる人間以外の生物が、かくなる支障と崩壊を防ぐために何らかの努力をしているようにはみえない。 その努力は人間のみのもののようである。 原因は人間のみが、内なる意識世界を極度に複雑化させ膨張させてしまったことにある。 それによって、あえて努力しなければ、外なる物質世界との乖離が解消されなくなってしまったからに他ならない。
ではその乖離はどのようにして解消されるのか?
膨張してしまった意識世界に合致するように物質世界を膨張させるか? それとも物質世界に合致するように意識世界を収縮させるか? そのいずれかである。 もし日々その解消に翻弄されているのが 「万物の霊長」 とされる人間の偽らざる姿だとすれば、その存在は悲嘆やるかたない。 それどころか、その解消に失敗すれば、自らが崩壊してしまうことさえあるのだ。 これで精神障害に陥らないことのほうが不思議なくらいである。
2023.04.23
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