Linear 未知なる時空を訪ねる旅の途中でめぐり逢った不可思議な風景と出来事
知的冒険エッセイ / 時空の旅
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遮断された回路〜想像と現実、あるいは脳と体
 現代人が喫緊で求められているものとは想像と現実が融合した 「即身」 の実現であろう。 それは人間として生きる原点の姿であって、かって原始人や縄文人に実現していたものである。 だが人間が進歩という幻想に取り憑かれて以来、想像と現実の乖離は広がるばかりである。 その結果、実現されたものとは 「肥大化した想像」 と 「巨大化した現実」 の出現である。 想像は現実に追いつけず、現実もまた想像に追いつけない。
 想像としての 「脳」 と現実としての 「体」 が直接に繋がらなくなってしまったことは、人類存亡の危機である。 脳と体の連携は人間の最も基底にある基本的機能であって、この回路が遮断されてしまっては、もはや動物としてさえ生存できない。 頻発するアクセルとブレーキの踏み間違え事故には、その 「危機の本質」 があらわれている。 さらには、脳と体の回路が遮断された 「ひとりの人間」 によって、核ボタンが押され、人類そのものが絶滅してしまう危険性さえ潜在する。 現代社会に 「想像と現実の融合を促す即身」 が求められる所以はここにある。

2023.01.05


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